数学科の私が考える「三角関数は必要か?」

こんばんは。

最近ニュースを見ていると橋下さんが「三角関数なんて必要ない!もっと生きていくために必要なことを学べ」という発言が波紋を読んでいます。

三角関数は絶対必要な知識なのか

論理数学を研究していた私自身の考えを先に述べると「絶対に必要な知識では、間違いなくない」と思います。

しかし「知っておいたほうがよい知識」であることは間違いないし、「知っていることで人生の選択肢を増やすことができる」ともいえるのではないかとは思います。

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プログラマーで使った三角関数

最近よくポシジョントークなのか何なのか「プログラミングをやれ」という意見も多いですよね。

プログラマーという職業自体が理系寄りなので、三角関数を扱えない人間はいないと思いますが、プログラミングでも三角関数使うんですよね。

例えば座標変換などは三角関数を使うことが多いかと思います。

座標(1,1)を45度正の方向に回転すると?と聞かれると何となくxy座標系を思い浮かべて(-1, 1)と答えることはできるかと思います。

しかし、実際にそれを表現するには「思い浮かべた」ものではなく、理論が必要なわけです。

この程度のことなら答えを言うまでもありませんが、三角関数を用いた回転行列を使うことで計算式としてあらわすことができ、プログラミングでその変換が表現できます。

なんでも工学系の学生はこれをテンソルと呼び、ロボットの腕の動きなどもテンソルを使ってシュミレーションするとのことです。

使わないようですが「意外と色々なところに使われている」ということは知っておいても良い気がします。

特許作成で三角関数

仕事でとある計算をして欲しいと依頼されました。

理論式を求めて、それが実現できれば特許になるというものでした。

この理論式を求めるときにやはり三角関数を使ってゴリゴリと計算しました。

とはいえ、三角関数をすべて覚えているわけではないので(三角関数というより行列の内容ですが)、調べながら計算していると「こういう計算できて便利だなー」とか「他にも似た計算を応用すれば面白いことが実現できるかもしれない」と想像力を掻き立てられました。

そのときに思ったことは「知っていてよかった」という一言に尽きます。

知らないと関わることのできなかった内容にかかわることができ、門外漢である分野の話に興味を持つことができました。

おまけに特許になる可能性が高いなんて三角関数も捨てたもんじゃないと思いませんか?

知識は手段であって目的ではない

先ほど挙げた「プログラミングスキル」もこのご時世「やっておかないといけない」と言われていますが、私からすると「知っていたほうが選択肢も広がるし、考える幅が広がるよ」という感じですし三角関数も同じような認識です。

今後は使えないといけない、と当たり前のように言われる英語だって知っていれば選択肢も広がりますし、世間一般的に恐れられている数学だってそうだと思います。

逆に知らなくても何とかなる、生きていける、ということは言わずもがなです。

これらの話はポジショントークの「俺はこれで成功したから、これをやるべきだ」の逆?類似?で「俺はこれをやらなくても何とかなったから必要ない」と言ってるだけだと思います。

それに対して「三角関数はすごいぞ!知らなくていいとかありえない!」というのは話が飛躍しすぎなように思います。

言い換えると三角関数を含めた全ての知識において「うわ、これ凄い!」「こんなことも出来るのか」「面白いな」という経験があるかどうかで、こういった議論の立ち位置が変わるような気がします。

私はもちろんそういった経験があるし、実際に使うことは多いので「必修ではないにせよ、知っておいたほうが良い」という立ち位置にあります。

全ての知識において上下関係などなく、自分が興味あることや、自分がやりたいことに必要なものを学ぶべきだと思います。

今風の言い方をして宣伝して終わります。

「今後AIやロボットが普及していくうえで、ロボットの動きのシュミレーションや、AIの中身やロボット制御には三角関数が間違いなく使われているから、そういった時代を生きていくのであれば三角関数は必修だよ!」

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