重要なのはそこじゃない、大学生の学費問題について考える

ニュース

こんにちは

2、3日前に、出社してBusinessInsiderを開いたらこんな記事がTOPになっていました。

Contents

1日食費300円、週5バイト、大学除籍も…大学生ら6000人中3割が仕送り・小遣いゼロの現実

大学院生の声なども入っており、国立理系大学院まで進学した身からすると中々興味深い内容です。

国立、私立、どちらに入学/進学しようか迷っている方にも読んでいただければな、と思います。

一部の大学生以外は、基本的にお金に困る

先に述べておくと、私は仕送りももらっていましたし、授業料も親が出してくれました。

もちろん、バイトもしていましたし、生活費は全て仕送りとバイトの中でやっていました。

この記事の方々からすると「なんて恵まれているんだ!」と言われそうですが、私からすればもっと恵まれてた人はたくさんいたし、そういう人の方が多かったと感じます。

特に女の子なんかは親が心配しているからと、学生の中でも割と家賃が高い2階以上の部屋に住んでいたり、光熱費通信費は親が負担し、それ以外を仕送りでやっているという人もいました。

まぁ女の子はお金かかりますからね…、今思えば全然気にしていませんでしたが。

確かに大学院では想像以上にバイトをしている時間がなく、研究に時間を割かれ、割と貧困生活をしていました。

1日3食納豆だけとかザラでしたね、ジャガイモをレンチンしただけのものを食べたりと。笑

だけどそれが不幸だった、つらいとはそんなに思いませんでした。

だって3浪した方が辛かったですし、終わりの見えない研究はもっとつらかったです。

しかし仕送りが無かったら…と考える確かに死んでいた可能性が高いです。

私の場合、数学なので、考えてわからない場合は基本的にずっと考えています。

朝9時に大学にいって、0時まで考えているとか割とザラでした(しかも結局分からない)。

服についても、半年に一回買えばいい方でした。

今もそれが染みついているので、服を見に行ってもよっぽど気に入ったものが無ければ買いませんし、基本的にはユニクロで済ませてます。

理系大学院生は?

このコメントをしている方の中に理系大学院生がいないのが不思議です。

彼ら、特に実験系(化、物、生、工)は時間がないです。

高校の時、化学の先生が東北大の薬科卒だったのですが

「理系はバイトしている時間ないからなー、特に実験がいつ入る/終わるかわからないから、下手にバイトいれられない」

と言っていたのが非常に印象に残っています。

こういう人たちは参加していないのでしょうか?

夜中に実験装置を見に行って、朝4時に帰るとかザラに聞くんですが、そういう人がいるのを知っているのでしょうか?

むしろ、真っ先に参加していそうなのですが…。

もし私が都内の大学院に通っていたら、間違いなく参加していたでしょう。笑

今都内で生活していてわかったのですが、家賃等が高く、もっと生活に困っていた可能性が高いからです。

誘惑も多いですしね。

私立の方に関しては、正直何も言えない

私は国立に合格しましたが、実は滑り止めの都内有名私立の方に進学しようとしていました。

華やかで、大学名も有名で、ネームバリューだけでそこそこの企業に勤められる、と考えていました。

3浪もしているくせに生意気ですよね。

私の父親は国立理系大卒なので

「私立は無理だ(やめておけ)、国立しか行かせない」

と断固拒否され、入学手続きの書類を捨てられました。

今思えば、そうしてくれてありがとう、と心から思います。

おそらく、無理してでも私立に通っていたら、親からの仕送りはありましたが先ほども述べたようにもっと貧窮しており、まともに卒業できたかわかりません。

そもそも、私立は入学金も学費も倍、って今考えると法外な値段ですよね…。

私立に入学した方、特に都内で通っている方はそういう実情を知った上で入学しているのでしょうか?

そのあたりをインタビューして聞いて欲しい所です。

逆に言うと、それらを理解した上で「ここでしかできない研究がしたい!」という思いで進学したのであれば、こういう集会には参加していないのかな、とも思います。

とはいえ「夢と現実は違った!お金が想像以上にかかる!」という感じになるのでしょうが。

この記事の中で、問題を訴えている方の多くが私立大の方なのが非常に気になります。

特に大学院へ進学している方もいるので、余計に気になります。

大学院は思っている以上にお金がかかる

大学院は、何故か同大学の院に進学しても入学金がかかります。

これに関しては声を大にして「なんで?」と言いたいです。

今、国立大学(特に地方)も学部によっては院生が減ってきており困っています。

仲のいい先生も「ある程度人数がいないと、国からの補助が出ない」と嘆いていました。

であれば、国として保護すべき理系大学院生は入学金を免除し、授業料ももっと安ければいいのに、と思います。

大学院なんてほとんど授業ないですよね?

2年間で必要な単位数なんて30単位くらいですし、ほとんどが研究関連で取得できます。

大学院の授業料の高さと謎の入学金については、本当に何とかして欲しいなと思います。

ここをもっとピックアップして記事にしてください(切実)。

で、大学院に関して言えば、私立から国立に大学を変えてもいいと思うのは私だけでしょうか?

文系は良くわかりませんが、理系は私立→国立の院という話はよく聞きます。

そうすれば授業料も安くなりますし、家賃等の経費も安く抑えられますよ!

そういう検討はしたのか、疑問に残ります。

医学部は確かに保護すべき、だけど…

少し他と違う悩みを抱えており、気になったコメントがこちらです。

「自分が借りている奨学金は、県で10年働けば返済不要になるものだから、それまでちゃんと生きなければ、親に経済的負担を与えてしまうかもしれないので、命を大切にしたい。 正直、将来がもう奨学金返済のために決められていることは、自分の自由が狭まった気がしてとてもプレッシャーであるが、自分の家庭や学力ではこうするしかなかったというコンプレックスに悩まされる」(山形大学・医学部)

生きなければ…という点は正直何とも言い難いです。

もう1つ、医学部という言葉は落とし穴で、医学部にも大きく分けると医学科と看護科があります。

前者の場合、ストレートで入学してストレートで卒業した場合、研修医になるのは24歳です。

そこから10年間なので34歳、ここまで生きている可能性の方が高いため、病んで仕事ができていない(もしくは生死)について心配すべきでないかなとは思います。

ただ、医学科に関しては莫大なお金がかかっているので、親への負担を減らしたいという気持ちは凄くわかります。

もし仮に奨学金を返し終わらなかった場合、医者に関しては免除なり減額すべきかな、とは思います。

後者に関しては、正直わかりません。

私のイメージでは、看護系は激務ですが、普通のサラリーマンと比較するとかなり給料は良いです。

看護系であれば、大学に進学しなくとも、専門学校でもいいのかなと考えてしまいます。

いずれにせよお金はかかるのですが、専門の方が費用は安いはずですし、通える場所は多いはずです。

一番きになったのはこの部分です。

自分の自由が狭まった気がしてとてもプレッシャーであるが、自分の家庭や学力ではこうするしかなかったというコンプレックスに悩まされる

なら医学部に進むべきでなかったのでは?と思います。

地方国立大学は、特に医者に関しては地方医療の充実のために地方枠のようなものを設けているところが多いです。

塾や家庭教師でバイトしていたのでこういう話をよく耳にしましたが、こういう枠を利用すると明らかに入学難易度が下がる医学部(医者も)は結構多いです。

私の大学の医学部には、地方枠を利用して入学した人で、センター8割届いていない人がいるという話も聞きました。

というか、私のバイト先の塾にいたんですけどね、その人。

将来医者なのに、高校生の数学、物理、日本史(まぁここは割と好きなので良し)を私に聞いてくる…自分で何とかしてくれ、と思ったのはここだけの話です。

この地方枠の仕組みについては、ここに書いて良いかわからないのでふせておきます。

一つ言えるのは、地方で医学に従事する決意を表明すると、明らかに入学のハードルは低くなります。

私も一時期医者になりたくて浪人していましたし、受験もしましたが、地方医学部の面接では高確率で地方医療について聞かれます。

高校の同期で医者になった連中も、やはり10年くらいはその県で医者をすると言っていました。

当たり前ですが、地方医学部にとって「医療が必要だが人材がいない地方の医療をどうやって継続するか」という事が非常に重要です。

こうするしかなかった、というのは地方で医療関係の仕事に従事することがいや、という事なのでしょうか?

この文面では「自由が狭まった」という部分の真意がつかめないのですが、医療に従事する以上にやりたいことがあるのでしょうか?

それとも、他の場所(特に都会)で医療に従事したかったという事なのでしょうか?

前者であればやはり医学部に進むべきでなかったと思うし、後者であればこのコメントは理解できます。

国立の医学部に入学している時点で、正直コンプレックスに持つような事は何もないと思います。

医者目指して3浪して数学科に進んだやつが言っているので、間違いないと思います。

どうしてもその病院、地域で医療に従事したくない場合、借りた分をさっさと返して出ていくという方法もあります。

奨学金は返済不要になる可能性だってある

私の周りには奨学金を借りている人間が結構います。

話を聞くと、この記事にあるように大変だなぁと感じました。

ただ、借りていた人間の中には研究成果が評価されて、奨学金がチャラになったという話も聞きました。

奨学金の返済不要は狭き門ですが、話を聞いている感じだと狙えないレベルではないのかなと思います。

私がいた数学科に関していえば、かなりハードルは低い感じでした、実績さえあれば。

理系の中でも人気分野、工学などは単純に学生が多いため、返済不要の枠は狭き門であると思います

この奨学金返済不要の制度ですが、意外に知らない人が多いみたいで、申請をしない人も結構いるらしいです。

奨学金の種類にも依るんでしょうが、大学院で借りるような奨学金であれば、大学院での研究実績等があれば、高確率で半額の免除は受けられるみたいです。

私も卒業間際にオーラルで発表をしたり、結果的に論文も一本載ったので、奨学金を借りて免除申請をすればよかったと滅茶苦茶後悔しています。

×バイトで勉強できない ○勉強以外の時間でバイトをする

私の周りでは「居酒屋もしくは深夜コンビニでバイトをすると、高確率で留年する」と語られていました。

実際、こういうバイトを選んだ結果学問が追い付かなくなり、留年又は退学している人が結構いました。

深夜コンビニや居酒屋は、他のバイトに比べると

  • 時給が高い
  • 長時間入れる
  • 食費が浮く(賄い)

というメリットがあります。

2番目に関してはデメリットでもあるのですが、急にシフト交代になったり、時間が延長されたりとリスクの方が大きいイメージでした。

なので私は家庭教師か塾講師(できれば個人)をお勧めします。

バイトの予定を組むとき、自分の都合がいい時間だけで行えます。

何より給料が良い、私は時給2400円で家庭教師をしていた時期もあります。

2400円分の仕事をしようと頑張りすぎて厳しくした結果、生徒が泣いて首になりました。

メインは塾だったのですが、先輩の紹介で個人の塾で働いていました。

私はバイトリーダー的な位置だったので、こちらも時給は2200円ほどもらっていました。

塾講師とか家庭教師ってやたらハードルが高そうに見えますが、実際やってみるとそうでもないです。

いきなりめちゃくちゃ頭のいい子だったり進学校の子を相手にすると厳しいかもしれませんが、基本的に生徒の子もわかっていない(教える側より)です。

なので数をこなすうちに「あーそうだったな」「なるほど」と明らかに知識が増えていき、対応はそう難しくなくなります。

結構規模の大きい塾だと、夏期講習の時期は朝9~夜11時までとか良く聞くので、めちゃくちゃ稼げますがおすすめしません。

個人塾だと、入れる日数が少ない(規模の大きいところに比べて生徒が少ないので)ですが、定時後の残務もほとんどないのでストレスフリーです。

大学関連で取り上げるべき問題はそこじゃない

東大の方のコメントも載っていましたが、確かに天下の東大であればもっと手厚く保護すべきだし、しても誰も何も言わないのかな、と思います。

青田買いシステムがあってもいいのではないでしょうか。

例えば在席学部、学科に対し、専攻に関連がある会社や人材を欲している会社側からアピールし、学生側がその中から選びお金をもらう、など。

私が言わなくても、これくらいの制度ならありそうですね。

東大と医学部以外の話については何と言いますか、貧窮した経験はありますが、ここでコメントしている方ほどお金がなかった立場ではないので偉そうなことは言えません。

しかし大学関連で取り上げるべき問題はもっと別のところにあるような気もします。

先ほども触れた通り私立の学生が目立つのですが、例えば国立に入学していた場合、同じようにこの訴えには参加していたのでしょうか?

その辺が未知数で、私みたいに私立はそもそもいけなくて、地方国立に行った人間からすると不思議な感じがします。

もっと国立大学側の話にフォーカスを当てるべきかな、と思います。

この記事にも書いてあるように、今後、国立大で授業料値上げを検討する大学が増えるでしょう。

東工大だと何となく研究費に回るのかな…と考えてしまいますが、それ以外の大学だと全体としての設備投資やらなにやらに充てられそうな感じが否めません。

今はただでさえ研究費が減らされていて、基礎研究の土台が危うくなっています。

とりあえず、私立については一回精査すべきではないでしょうか。

無駄と言ったら叱られそうですが、そういった私立を減らして教育の質をあげる事が大事かなと思います。

あと、研究費は分散すべきではないでしょう。

お金がなくても何とか研究している、それは理系文系問わずですが、そういった研究者の助けになるような制度ができればいいなと思います。

ここまでご覧いただけるとわかるかと思いますが、私は国立理系大学生(特に研究者を目指す人)を偏重しがちですが、その辺はご了承ください。

それなりに彼らの苦労を目にしていて、様々な事情で研究者をあきらめた人を何人も見ているので、肩をもってしまうのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました