こんばんは。
つい最近、こんなニュースが出ていました。
まずはお悔やみを申し上げたい。
しかし一時は研究者を夢見た私からすれば、研究者としてその道にいったのであれば、これは仕方のない現実ではいだろうか、と思ってしまいます。
特に文系、文系で研究者になるということは理系のそれとは比になりません。
研究者、大学教授への道は「成果を出す」「優秀」という要素は必須ですが、それ以上に「運」がないとなれません。
文系だとおそらく枠も狭いため、並大抵の成果や運じゃ厳しいでしょう。
教授になってしまえば、学生の相手をしながら自分の好きなことをずっと続けられて、給与も普通のサラリーマン以上は余裕でもらえます。
ただしその道は本当に困難です。
私も大学入った当時は「研究者になれたらラッキーだな」とは思っていましたが、私より優秀な同期が次々に「ドクター(博士)の壁は厚い…」と断念していきました。
ドクターに進学し、卒業するだけであればその同期も、私でも可能です。
しかしその後の人生は全く保証されておらず、ドクターに行って給料なしで研究を続け、挫折していった人を何人もみました。
ドクター以上だといいバイトもあるのでそこそこお金はもらっているのですが、常に研究で成果を上げ続けなければならないという試練がまっています。
私も修士では常に「金銭」と「勉学」には悩まされました。
修士はお金も貰えず、研究成果を出さなきゃいけないという状況なので、お金の問題では常に頭を抱えていました。
私の場合理論系なので時間の割り振りを個人裁量でできたのですが、実証・実験系は地獄だったと良く聞きます。
夜中の2時に呼び出されて実験をした、という話も聞きます。
私が知る限りでは研究者の道を選ぶのはどちらかで
- 研究が好きすぎてたまらない
- 社会不適合すぎてつらい
です。
後者なんかは結構いました、「今まで研究しててこれから社会に出て働ける気がしない」と。
何が言いたいかというと、研究者の道は、世間でよく言われる「好きなことをして生きていく」の極地だと思います。
Youtuberよりも当たる確率は低いのではないでしょうか。
あくまで予想ですが、今後は大学進学も減っていき、大学への補助がどんどん減らされ、日本の研究者は海外に行かざるを得なくなるでしょう。
それに伴って、日本の大学(特に私立)なんかは減っていくのではないでしょうか。
つまり今後研究者を目指すことは、今以上に苦難の道だと思われます。
しかしながらといって「研究者はやめとけ」とは口が裂けても言えません。
そもそも社会に出ている人が、大学で研究というものを碌にやっていない方が多い節があるので、研究に価値を見いだせていないのでしょう。
気づいた時には後の祭り、国の根底を支えていた研究が衰退してしまうでしょう。
国にたいして言いたいのですが、もっと研究者や研究を保護して欲しいです。
私からすると修士卒の学生ですら、もっと保護すべきだと思います。
「君たち研究が好きで勝手に院まで行ったんでしょ」
と言われるかもしれませんが、あの2年で得た知見は大学の4年で得た知見とは比べ物にならないと思います(研究内容的にですが)。
そこで得た知識にどれだけ価値があり、見えないところで我々の生活を支えているか、もっと真剣に見て欲しいです。
特に理系、理系の学生は根性もあるし知識もあるので、理系修士卒の価値はもっと見直されるべきです。
社会学者が国から消えても何とかなると思いますが、化学者、物理学者が消えたら国は滅びると思います。
大学の数が減るのは自然な方向だと思いますが、研究者を目指す人が研究者を目指しやすい社会になってほしいです。
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